アクリライトの屈折率について知りたい

アクリライトの屈折率について知りたい

①屈折率
光が物体の平滑な面に、ある傾きをもって入射するとき。図5のように一部は反射し一部は屈折して進行します。
このときの入射角度(i)と屈折角度(r)の間には次式で表される関係が成立します。
sin i/sin r = n
nを屈折率といいその値は物質によって異なります。
図1 入射光と反射光及び透過光

アクリライトの屈折率は常温のもと、ナトリウムD線(波長589nm黄色)で1.4933です。
屈折率は光の波長によって少しずつ変化します。一般に波長が大きいほど(すなわち赤色に近づくほど)屈折率は小さくなります。この関係をCaushyの式であらわすと次式および図2のようになります。
n=1.4779+(5.0496×10³)/λ²-(6.9486×10⁷)/λ⁴   但しλ:波長(nm)
図2 屈折率と波長

また屈折率は温度、湿度等による体積膨張によっても変化します。±0.002程度の違いは常に生ずると見るのが妥当です。
温度による屈折率の変化は、ナトリウムD線に対し、次の式で表されます。
n=1.4933-1.1×10⁻⁴t-2.1×10⁻⁷t²   但し t:温度℃

②複屈折について 
複屈折とは異方性のある物質を光りが透過する際に、光の偏光方向よって屈折率に差が生じる現象で、屈折率差が生ずるため透過像が滲んで見えたりします。
この異方性は物質の化学的な分子配向の影響や物質を成形する際の残留応力の方向性などによって発現する事が有ります。
また偏光方向が制御された光(例えば液晶ディスプレイなど)を複屈折のある物質を通して見ると、像の滲みや色の変化等が発生する事が有ります。
アクリライトS,L,EXはキャスト製法で製造されるため、面方向の残留応力の異方性が非常に小さく複屈折がほとんど無いため、液晶ディスプレイ等の映像に影響を及ぼしにくい材料となっています。

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